「買い切りのクラウドストレージを探していて、Internxtが気になっている…。」
「セキュリティが高いと聞くけれど、実際のところどうなんだろう…。」
久保直之本記事では、Internxtの無料プランを実際に使い、pCloudの生涯プランを契約している私が両者を比較しながら解説していきます。
先に結論をお伝えすると、Internxtはセキュリティ面において非常に優れたサービスです。ゼロ知識暗号化、ポスト量子暗号化、オープンソース、第三者監査と、この分野では他社を上回る仕組みを持っています。
一方で、日本語に対応していないこと、そして買い切りプランの価格がpCloudより高いことから、私自身はpCloudを使い続けることにしました。

とはいえInternxtにしかない強みは確実にあります。どちらが自分に合っているかを判断できるよう、それぞれの特徴を正直にお伝えしていきます。
この記事でわかること
- Internxtの特徴と料金プラン
- InternxtとpCloudの違い
- Internxtのセキュリティが評価される理由
- どんな人にInternxtが向いているか
Internxtとは

Internxtは、スペインのバレンシアに本社を置くInternxt Universal Technologies SLが運営するクラウドストレージサービスです。プライバシー保護に特化したクラウドストレージとして展開。
創業者はフラン・ビジャルバ・セガーラ氏。2017年に構想され、2020年に最初のクラウドストレージアプリをリリースしました。サーバーもスペイン国内に設置されています。
Windows、macOS、Linux、iOS、Android、Webに対応しており、無料プランでも利用を開始できます。
Internxtの主な特徴
- ゼロ知識暗号化を全プランに標準搭載
- ポスト量子暗号化(Kyber 512)を採用
- ソースコードがGitHubで公開されているオープンソース
- Securitumによる第三者セキュリティ監査を2025年に通過
- GDPR準拠
- 買い切りの生涯プラン(Lifetime)がある
- 30日間の返金保証
Internxtの料金プラン(生涯プラン)

Internxtには年額プラン(Annual)と買い切りの生涯プラン(Lifetime)があります。
Internxtの生涯プラン(Lifetime)は1TB285ユーロです。Internxtの生涯プランは、同じメールアドレスで追加購入することで容量を積み増せます。
最初に1TBを購入し、後から必要になったタイミングで追加するという使い方が可能です。公式によれば最大100TBまで積み増せるとされています。
| プラン | Essential | Premium | Ultimate |
|---|---|---|---|
| 容量 | 1TB | 3TB | 5TB |
| セール価格 | 285ユーロ | 435ユーロ | 585ユーロ |
| 通常価格 | 1,900ユーロ | 2,900ユーロ | 3,900ユーロ |
| 支払い方法 | 一度きりの買い切り | 一度きりの買い切り | 一度きりの買い切り |
| 30日間の返金保証 | ○ | ○ | ○ |
| ポスト量子暗号化 | ○ | ○ | ○ |
| ゼロ知識暗号化 | ○ | ○ | ○ |
| 二段階認証 | ○ | ○ | ○ |
| パソコンのバックアップ | ○ | ○ | ○ |
| パスワード保護付きファイル共有 | ○ | ○ | ○ |
InternxtとpCloudを比較
| 項目 | Internxt | pCloud |
|---|---|---|
| 運営会社の所在地 | スペイン | スイス |
| 設立 | 2020年(サービス開始) | 2013年 |
| ユーザー数 | 非公開 | 2,400万人以上 |
| 日本語対応 | 非対応 | 対応 |
| ゼロ知識暗号化 | 全プランに標準搭載 | 有料オプション(pCloud Crypto) |
| ポスト量子暗号化 | 対応(Kyber 512) | 非対応 |
| オープンソース | ○ | × |
| 第三者監査 | Securitum(2025年) | ― |
| 買い切りプラン | あり(1TB〜) | あり(500GB〜) |
| 返金保証 | 30日間 | 14日間 |
| 日本語の情報量 | 少ない | 多い |
同じ買い切りプランでも、容量あたりの単価には差があります。
| サービス | 容量 | 買い切り価格 | 1TBあたりの単価 |
|---|---|---|---|
| pCloud | 500GB | 199ドル(約29,000円) | 約58,000円 |
| pCloud | 2TB | 399ドル(約59,000円) | 約29,500円 |
| Internxt | 1TB | 380ユーロ(約66,000円) | 約66,000円 |
| Internxt | 3TB | 580ユーロ(約101,000円) | 約33,700円 |
| Internxt | 5TB | 780ユーロ(約136,000円) | 約27,200円 |
小容量帯では、pCloudの方が明確に安くなります。Internxtの最小プラン(1TB・380ユーロ)は、pCloudの2TB(399ドル)とほぼ同じ金額で容量が半分です。
一方で5TBクラスの大容量になると、単価はpCloudと同等かそれ以下になります。大量のデータを保存する予定がある方は、為替レートにもよりますがInternxtの方がコストパフォーマンスが良くなる可能性があります。
Internxtのメリット・デメリット
ゼロ知識暗号化が全プランに標準搭載
Internxtの最大の強みがゼロ知識暗号化です。
通常のクラウドストレージでは、ファイルは暗号化されて保存されますが、その暗号化の鍵はサービス提供者側が持っています。つまり理論上、サービス側はファイルの中身を見ることができます。
ゼロ知識暗号化では、暗号化の鍵をユーザー本人だけが持ちます。Internxtの運営会社であっても、保存されたファイルの中身を確認することはできません。
pCloudにも同等の機能はありますが、pCloud Cryptoという別料金のオプションです。Internxtは全プランに標準で含まれているため、追加費用なしでこのレベルのセキュリティを利用できます。
ポスト量子暗号化を採用
Internxtは暗号化にKyber 512というアルゴリズムを採用しています。
これは量子コンピュータが実用化された時代でも解読が困難とされる暗号方式です。現在主流のAES 256bitも十分に強固ですが、将来的に量子コンピュータによって解読される可能性が指摘されています。
買い切りプランは10年、20年と使い続けることを前提とした契約です。長期的な視点で見たとき、この点は実質的な意味を持ちます。
第三者による監査を受けている
2025年、Securitumによる独立したセキュリティ監査を通過しています。
自社で「安全です」と言うのではなく、外部の専門機関による検証を受けている点は、客観的な評価材料になります。
またスペインの企業なので、EUの一般データ保護規則(GDPR)の適用を受けます。
GDPRは個人データの取り扱いを厳格に規定する法律で、GDPRに準拠しているということは、プライバシー保護に関して一定の水準が担保されているということです。
30日間の返金保証
pCloudの14日間と比べて、返金保証の期間が長く設定されています。
実際に使ってみて合わなかった場合の判断期間が長いのは、購入のハードルを下げてくれるポイントです。
×日本語に対応していない
日本語に対応していないのが日本人ユーザーにとって最大のハードルです。
サイトもアプリもすべて英語で、日本語サポートもありません。ブラウザの翻訳機能を使うことはできますが、アプリ内では翻訳が効かない部分もあります。
クラウドストレージは毎日のように使うサービスです。設定を変更するとき、トラブルが起きたとき、家族や仕事仲間に説明するとき。そういった場面で母国語が使えないことの負担は、想像以上に大きくなります。
特にセキュリティに関わる設定は正確に理解して操作する必要があるため、英語に不安がある方には厳しい部分です。
Internxtは日本での知名度がまだ低く、日本語での解説記事やトラブル対処の情報がほとんどありません。
何か困ったときに検索しても、英語のサポートページや海外のフォーラムを読むことになります。
買い切りプランは長期利用が前提なので、10年後、20年後に何かあったときに調べられる環境かどうかは重要な判断材料です。
×小容量プランは割高
前述の通り、Internxtの最小プランは1TBで380ユーロ。
pCloudなら500GBが199ドル、2TBが399ドルです。
pCloudはキャンペーンもたくさん開催されていて、運が良ければ50%オフで購入できるタイミングもあります。
×運営期間が比較的短い
Internxtのサービス開始は2020年です。pCloud(2013年)と比べると新しいサービスになります。
買い切りプランは「そのサービスが続くかどうか」に賭ける買い物でもあるため、運営実績の長さは判断材料の一つになります。
もちろん新しいサービスが悪いわけではありませんし、資金調達や第三者監査といった実績はあります。ただ、10年以上の運営実績があるpCloudと比べたとき、この差は無視できません。
×ユーザー数が公表されていない
pCloudが2,400万人以上のユーザー数を公表しているのに対し、Internxtは規模を明らかにしていません。
サービスの継続性を判断する材料が一つ少ないということになります。
よくある質問
- Internxtは安全ですか?
-
セキュリティ面では非常に高い水準にあります。ゼロ知識暗号化により運営会社でさえファイルの中身を見ることができず、ポスト量子暗号化により将来的な解読リスクにも備えています。
加えてソースコードが公開されており、2025年にはSecuritumによる第三者監査も通過しています。GDPR準拠のEU企業である点も、プライバシー保護の観点では安心材料です。
- Internxtは日本語で使えますか?
-
現時点では日本語に対応していません。サイトもアプリもすべて英語です。ブラウザの翻訳機能を使うことはできますが、アプリ内では翻訳が効かない部分もあります。
- Internxtは無料プランはありますか?
-
あります。無料プランで実際の操作性を確認してから、有料プランを検討することができます。
- pCloudとどちらを選ぶべきですか?
-
日本語対応と運営実績の安定を重視するならpCloudというのが基本的な判断軸になります。
どちらも無料プランがあるので、実際に両方触ってみてから決めるのが確実です。
- サービスが終了したらデータはどうなりますか?
-
買い切り型クラウドストレージ全般に言えるリスクです。どちらのサービスも絶対はありません。
大切なデータは外付けHDDなど複数の場所に保存しておくという原則は、どのサービスを使う場合でも変わりません。
まとめ
Internxtは、セキュリティという一点において間違いなく優れたサービスです。
ゼロ知識暗号化の標準搭載、ポスト量子暗号化、オープンソース、第三者監査。ここまで揃えているクラウドストレージは多くありません。機密性の高いデータを扱う方にとっては、有力な選択肢になるはずです。
一方で、日本語非対応という点は日本人ユーザーにとって大きなハードルです。毎日使うサービスだからこそ、母国語で使えることの価値は無視できません。
久保直之私自身は、写真や書類の保存が主な用途であり、日本語で使えることを優先してpCloudを選びました。ただしこれは「pCloudが優れているから」ではなく、「自分の用途にはpCloudが合っているから」という判断です。
2013年からの運営実績と2,400万人というユーザー数 ・写真や書類の保存が主な用途なので、ポスト量子暗号化までは必要ないと判断し、pCloudを選んでいます。
どちらも無料プランがあるので、まずは両方使ってみて、自分に合う方を選ぶのがおすすめです。
Internxtは登録から無料プランを使えるようになるまでの流れは英語表記ですが迷いそうな箇所を特になくとてもスムーズに使えるようになります。
無料プランは1GBなので、容量でいうとpCloudの10GBに比べて少ないです。

実際のInternxtのUIは見やすい印象でした。ただ好みもよるんですけれども、写真のプレビュー表示は個人的にはpCloudの方が見やすかったです。



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